引っ越しに伴って転居先でNURO光を契約したのですが、開通まで予想以上に時間がかかり、1か月以上ネットにつながらない期間ができてしまいそうでした。
普通にネットを使うだけならスマホのテザリングで乗り切る方法もあります。ただ、当時は仕事でネットが必須だったうえ、自宅で動かしていたサーバーやNASを外部公開したい事情もありました。
そこで、固定回線が開通するまでの一時しのぎとして、WiMAXを使ってサーバーやNASを外部公開できるネットワーク環境を作ることにしました。
この記事では、2020年当時に実際に使った構成、設定手順、費用感、実用性、そして現在同じことをする場合の注意点をまとめています。
この記事は2020年当時の体験談です
WiMAXの料金プラン、端末、グローバルIPアドレスオプションの対応状況、管理画面の設定手順は、現在と異なる可能性があります。現在利用を検討している場合は、必ずUQ WiMAXなど公式サイトで最新情報を確認してください。
また、サーバーやNASをインターネットに外部公開する場合はセキュリティリスクがあります。特に、家族写真や重要データが入ったNAS、仕事用データが入ったサーバーを安易に公開するのはおすすめしません。この記事は外部公開を推奨するものではなく、固定回線開通前の一時的な環境構築の体験談です。
WiMAXでサーバーやNASを外部公開するには何が必要か
WiMAXでサーバーやNASを外部公開するには、大きく以下が必要になります。
- グローバルIPアドレスを取得できる回線・プラン(グローバルIPアドレスオプションなど)
- ポートフォワーディングに対応したモバイルルーター
- 外部公開するサーバーやNAS側の固定IP設定とセキュリティ設定
- 必要に応じて、ブリッジ接続できる無線LANルーター(有線接続が必要な場合)
当時はUQ WiMAXのグローバルIPアドレスオプションを使いました。ただし、現在は対象プランや対応機種が変わっている可能性があるため、必ず公式サイトで確認してください。
グローバルIPアドレスが必要な理由
モバイル回線の多くは、複数のユーザーがIPアドレスを共有する「キャリアグレードNAT」の接続になっています。この場合、外部からアクセスできる固定のIPアドレスがないため、サーバーの外部公開には使えません。
UQ WiMAXにはグローバルIPアドレスオプションがあり、これを使うことでグローバルIPを使った接続が可能になります。
グローバルIPアドレスオプション(WiMAX 2+用)|UQ WiMAX【公式】
ただし、このオプションが利用できるプランや機種は変更されることがあります。現在の対応状況は公式ページでご確認ください。
中継器・無線LANルーターについて
外部公開したいサーバーが無線接続できる場合、中継器は必要ありません。モバイルルーターにサーバーを無線接続して、ポートフォワーディングを設定するだけです。
有線LANで接続したい場合や、有線の方が安定する場合は、モバイルルーターのWi-Fiを中継できる無線LANルーターを中継器として使います。
実際に使った構成
当時の要件はこんな感じでした。
- 契約期間は1〜2か月
- 将来的に固定回線を引くので、モバイルルーターを一時利用する
- サーバーやNASを外部公開したい
- なるべく低予算
UQ WiMAXのSIMのみ契約(ギガ放題プラン)
SIMは、UQ WiMAXのSIMのみギガ放題(期間なし)プランを選びました。

2020年当時の月額は4,455円(税込み)でした。現在の料金は公式サイトで確認してください。
UQ WiMAXを選んだ主な理由は、グローバルIPアドレスオプションが使えることと、解約時の違約金がないプランがあったことです。当時の調べでは、WiMAX2+でSIMのみ契約が可能かつ違約金なしで解約できるプランはUQだけでした(2020年当時の情報です)。
申し込みはオンラインから行うだけで、1〜2日で宅配されます。本人受け取り必須なので、受け取り損ねないよう注意が必要です。
モバイルルーター(Speed Wi-Fi NEXT W06)
モバイルルーターはポートフォワーディングに対応した機種を用意します。当時はW06(Speed Wi-Fi NEXT W06)を自前で購入しました。
執筆時点(2020年4月)でメーカー再生品がセールで4,980円(税込み)になっていたので即購入しました。
中継器としてNetgear R8500を設定
サーバーを有線LANで接続するため、手持ちのNetgear R8500を中継器として使いました。
ただ、2026年6月現在は、新しいモデルを検討したほうがいいです。
わが家で現在使っているのは、同じくNetgearのRAX200ですが、こちらも生産終了しています。
最近の無線LANルーターの多くに中継機能がついているので、手持ちの機体で対応できる場合はそれを使えます。
WiMAXでサーバーを外部公開する設定手順
最終的なネットワーク構成のイメージはこちらです。

各機器の設定を順番に見ていきます。
グローバルIP用のAPNを設定する
UQ WiMAXのSIMはグローバルIPを使えます。設定方法は、ルーターの管理画面からプロファイル(APN)を変更するだけです。詳しい手順は公式ページを参考にしてください。
グローバルIPアドレスオプション(WiMAX 2+用)|UQ WiMAX【公式】
LAN側のIPアドレスを設定する(必要な場合のみ)
外部公開するサーバーのサブネットと、モバイルルーターのデフォルトのサブネットが異なる場合に設定します。
私の環境では、外部公開するサーバーのサブネットが192.168.1.100、W06のデフォルトのサブネットが192.168.100.0/24だったため、以下のように変更しました。
- W06のLAN側IPアドレス: 192.168.100.1/24 → 192.168.1.1/24
- 外部公開するサーバーのアドレス: 192.168.1.100/24(変更なし)
設定は、W06の管理画面の「設定」→「ファイアウォール設定」→「DHCP設定」から変更できます。

ポートフォワーディングを設定する
ポートフォワーディングは、W06の管理画面の「設定」→「ファイアウォール設定」→「ポートマッピング」から設定できます。

以上でモバイルルーターの設定は完了です。
中継器(無線LANルーター)の設定
先ほど設定したモバイルルーターに、無線を使ってブリッジ接続します。
まずは中継器として使う無線LANルーターのIPアドレスを設定します。R8500の場合は「高度」タブの「設定」→「LAN設定」から設定できます。

モバイルルーターが192.168.1.1なので、中継器には192.168.1.2を設定して、DHCPを無効にします。DHCPの役割はモバイルルーターが担うため、中継器側はオフにします。
次に、中継器としての機能を有効化します。R8500では「高度」タブの「高度な設定」→「ワイヤレス設定」にある「ブリッジモードワイヤレス設定をセットアップする」ボタンをクリックします。

ネットワーク名(SSID)、セキュリティオプション、パスワードを入力します。これらはモバイルルーターに設定されている値を入力します。

設定を適用したら、ブリッジとして動き出した後のルーターのIPも確認しておきましょう。

適用ボタンをクリックすると、無線LANルーターが中継器として動き始めます。これでネットワーク環境の構築は完了です。
2020年当時にかかった費用
2020年当時、私が契約した条件での費用感です。現在の料金や事務手数料、端末代、オプション料金は変更されている可能性があります。最新の料金は公式サイトを確認してください。
SIM契約の費用は以下の内訳になります(2020年当時・税抜き)。
- 事務手数料: 3,000円
- グローバルIPアドレスオプション: 96円
- 月額: 4,050円
2020年当時の税込みでの目安(参考):
| 使用期間 | 目安費用(参考) |
|---|---|
| 1か月で解約 | 約7,860円 |
| 2か月で解約 | 約12,315円 |
| 3か月で解約 | 約16,770円 |
固定回線の月額と大きな差はありませんが、工事費や長期縛りの違約金がない点は違います。開通待ちの短期利用なら、費用を抑えやすい場合もあります。
実際に使ってみた速度と実用性
速度(下り72.5Mbps・上り9.09Mbpsだった)
インターネット速度テストの結果は、下り72.5Mbps、上り9.09Mbpsでした。

普通のブラウジングや、ブログ・ファイルサーバーとして使う分には問題ない速度です。ちなみに、このブログのPageSpeed InsightをWiMAX経由で確認したところ、モバイルが45・パソコンが92で、光回線接続時とあまり差がありませんでした。
ただし、これはあくまで当時の私の環境での結果です。電波状況や設置場所によって大きく変わります。
動画配信や大量アクセスには向かない
トラフィックが多い動画配信サービスや、大量アクセスがあるサーバーの公開には向かないと感じました。軽いファイルサーバーやブログ程度が現実的な用途です。
モバイルルーターは窓際設置が重要
評判どおり、窓の近くにないとモバイルルーターがつかむ電波が弱くなります。基本的には窓際に置いて充電器につなぎっぱなしにするのが安定しました。
W06のWi-Fi電波は、扉を2枚挟んで5〜6mくらいまではぎりぎり届きました。もしつながりにくければ一時的にルーターを移動しても問題ないので、私の環境では大きな支障にはなりませんでした。
電波状況は自宅の構造やエリアによっても変わるので、参考程度に見てください。
サーバーやNASを外部公開するときのセキュリティ上の注意点
このテーマはセキュリティリスクが大きいため、注意が必要です。特に以下の点を意識してください。
家族写真や重要データが入ったNASを安易に公開しない
NASやサーバーをインターネットに直接公開すると、攻撃の対象になります。家族写真や個人情報、仕事のデータが入ったNASを、十分な準備なく公開するのは避けた方がいいです。
管理画面や不要なポートを外部公開しない
必要最低限のポートだけを開けるようにしましょう。ルーターや機器の管理画面のポートをそのまま外部に公開するのは危険です。
パスワードとファームウェアの更新は必須
- 初期パスワードのまま使わない
- 管理者アカウントのパスワードを強固にする
- MFAなどでセキュリティを確保する
- ファームウェアを最新に保つ
現在なら、直接ポートを開けない代替手段もある
現在は、VPNやTailscaleのようなリモートアクセスツールを使うと、ポートを直接外部に開けなくてもリモートアクセスできる方法があります。ポートフォワーディングによる直接公開が唯一の手段ではありません。
長期運用や重要なデータを扱う場合は、こうした安全な代替手段も検討してみてください。
WiMAXでの外部公開が向いている人・向いていない人
向いている人
- 固定回線の開通待ちで、一時的にサーバーやNASを外部公開したい人
- 1〜3か月程度の短期利用で、すぐに固定回線に切り替える予定がある人
- 軽いファイルサーバーやブログ程度の用途で使う人
- グローバルIPアドレスオプションが使えるプランで契約できる人
向いていない人
- 固定回線の完全な代替として長期的に使いたい人
- 動画配信や大量アクセスがあるサービスを公開したい人
- 家族写真や重要データをNASに入れたまま外部公開したい人
- 電波状況が不安定なエリアにいる人
- セキュリティ設定の経験や知識がない人
まとめ:WiMAXでの外部公開は固定回線開通までの一時しのぎとしてなら選択肢になる
WiMAXでも、グローバルIPアドレスオプションとポートフォワーディングに対応したモバイルルーターを使えば、サーバーやNASを外部公開する環境を作ることはできました。
2020年当時の私の環境では、NURO光が開通するまでの一時的なネット環境として十分使えました。
ただし、これはあくまで一時しのぎです。WiMAXは電波状況に左右されますし、固定回線ほどの安定性は期待できません。サーバーやNASを外部公開する場合は、セキュリティ対策をしっかり行う必要があります。
現在同じことをする場合は、まず最新のプラン・端末・グローバルIPオプションの対応状況を公式サイトで確認し、外部公開が本当に必要かを改めて考えることをおすすめします。
固定回線の開通待ちで一時的な環境が必要な人には、WiMAXを使った構成は選択肢のひとつになると思います。ただし、判断はご自身の環境や用途に合わせてご検討ください。
固定回線の開通待ちで困っている場合は、開通までの流れや管理会社への確認も重要です。賃貸でのNURO光の開通・申し込みについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。





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